ユベラでお肌の若返りができる!?<医師監修>
- 2022.8.7
目次
ユベラとは
美容皮膚科に行くと、ユベラを処方されることがあります。
ユベラとは、一般名トコフェロール酢酸エステル(ビタミンEの一種)の製品名です。
若返り、老化防止、肌荒れに効果があるためお肌の悩みがある方に多く処方される薬剤です。今回は、そんなユベラ(ビタミンE製剤)について詳しく説明していきます。
ユベラとユベラN
そっくりだけど少し違います。
ユベラは、トコフェロール酢酸エステルです。保険適応では、末梢循環障害や過酸化脂質の増加防止などの適応があります。
ユベラNは、トコフェロールニコチン酸エステルです。主に高脂血症の薬として使われることが多いです。(中性脂肪を減らし、善玉コレステロール(HDL)を増やします。)
ユベラNはプラスαの作用があると考えても良いのではないでしょうか。
ビタミンEの種類
ビタミンEとは、実は、4種類のトコフェロールと4種類のトコトリエノールの総称のことです。
ビタミンEの役割
ビタミンEは抗酸化作用が強力です。
役割としては、生体膜機能の維持、溶血の防止、生殖機能の維持、ホルモンバランスの調整などです。細胞の膜(脂質二重層)に存在し、生体膜を構成する不飽和脂肪酸や他の脂溶性成分を酸化障害から守ります。過酸化脂質の生成を抑制し、動脈硬化を予防します。体中の細胞の酸化を防止するため老化を阻止する役割も担っています。その他、コレステロールの排泄や血管拡張の役割もあります。閉塞性動脈硬化症の方がユベラを内服する場合があり、血行が少し良くなり症状が改善することがあります。また血行が改善されることで肩こりや冷え性の方が改善することもあります。その他、ホルモンバランスを整える作用もあります。
美容目的でユベラを内服する意味
紫外線に当たると、肌は酸化します。肌の細胞膜の酸化はしわやシミなどの原因になります。
抗酸化作用が強力なビタミンEはその酸化を抑制します。シミ治療でよく処方されるビタミンCも抗酸化作用が強力ですが、合わせて内服すると相乗効果が期待できます。
肌が荒れている時(ニキビ、乾燥、かゆみ、毛穴、赤み)にはビタミンEは効果的です。肌の細胞を作り出す材料の一つになっているため肌の代謝が整えられてターンオーバーが正常化し、肌のバリア機能が改善し、キメ細やかな肌になります。もちろん、日常生活の中で、バランスの良い食事、良質な睡眠、適度な運動は心掛けてください。
以下の症状がある場合には、有効です。
・ニキビ、肌荒れ
・赤ら顔
・毛穴が目立つ
・乾燥している
・かゆみがある
摂取方法
ビタミンEの摂取は、基本的に食物による経口によるものがほとんどです。偏食があると不足すること可能性はありますが、通常の食事では過剰症になることはありません。アーモンドなどの種実類、穀物、豆類、穀類、魚介類、野菜類などに多く含まれています。サプリメントや薬剤で決められた量より多く内服すると過剰症になります。
脂溶性ビタミンであるため、尿中に排泄されることはなく、過剰に摂取すると、体内に蓄積されます。蓄積が多すぎると、過剰症を生じます。
ビタミンEが不足すると
ビタミンEが不足すると、神経や筋障害の症状がみられることがあります。血行不良、冷え性、頭痛、肩こりが生じます。抗酸化ができにくくなり、しわやシミができやすくなります。また動脈硬化も進行します。
ビタミンEの過剰症
過剰症としては、血液が止血しにくくなります。その他、骨粗鬆症のリスクを高めると言われております。
まとめ
ユベラは、健康にもお肌にも良い効果があるビタミン剤です。良いからといって過剰に摂取しすぎると、脂溶性ビタミンゆえに体内に蓄積してしまう場合があります。
適量を守り内服してください。
文責:まゆりなclinic名古屋栄 院長 加藤成貴