ボトックスで脇汗、ワキガ、手汗・足汗を改善できる!〈医師監修〉
- 2022.8.6
目次
多汗症について
多汗症とは、異常な量の汗をかく状態のことです。暑かったり、運動をすると、発汗します。体温が異常に上がらないようにするためです。この反応は普通です。多汗症とは、状況と比べて明らかに汗が多い状態を言います。汗が異様に多いと、例えば、灰色のTシャツを着ると、汗ジミが多くなる、手汗がひどく、書類を持つと、べとべとになってしまうなど日常生活でも困ることがあり、最悪、精神的に病んでしまう方も実際いらっしゃいます。発汗の制御をボトックスで行うことに関して、ご紹介させて頂きます。
エクリン腺とアポクリン腺
汗は、汗腺から出ます。汗腺には二種類あります。エクリン汗腺とアポクリン汗腺です。エクリン汗腺は、全身にあります。暑い時や運動したときに出る比較的サラサラした無臭の汗を分泌します。ほぼ水分ですが、わずかに塩分やアミノ酸や尿酸も含まれています。
アポクリン腺は、全身にあるわけではなく、脇、鼠径部、会陰部、肛門周囲など限られた部分に存在します。分泌する汗には、水分の他、タンパク質、脂肪酸などが含まれており、臭いの元となる成分を多く含んでいます。
いずれにしろ、皮脂や汚れや汗に細菌が繁殖すると、臭いが出ますが、メインはアポクリン腺から出る汗によるものです。
ボトックスによる発汗の制御の機序
ボトックス(ボツリヌストキシン製剤)は、神経末端から分泌されるアセチルコリンの分泌を抑制します。アセチルコリンは交感神経の末端で発汗を促しているため、この働きを抑制することにより、汗の分泌を抑制します。
主にエクリン腺の汗腺からの汗の分泌を抑えますが、アポクリン腺からの分泌も抑えます。ボトックスが効いている3~6カ月程度は効果が持続します。
ワキガの場合は、汗を抑えることで、臭いの元が減るので、臭いがしにくくなります。
手汗や足汗が多い方も汗が少なくなることで快適になります。
まとめ
汗の分泌をコントロールできるボトックスについて紹介させて頂きました。
夏だけ効かせたい方は、夏前に来られて注射される方もいらっしゃいます。
又は、夏だけ多めに、その他の季節は少なめにといったカスタマイズされる方もいらっしゃいます。症状に応じて、単位数を変えていただくこともできますので、気軽にご相談下さい。
文責:まゆりなclinic名古屋栄 院長 加藤成貴