タバコがもたらす肌への危険性~タバコ顔の真実~〈医師監修〉
- 2023.1.29
喫煙は身体に悪影響があると言いますが、たばこが肌に与える影響をご存じですか。今回はたばこが肌に与える影響についてご紹介します。
たばこを吸っていると特有の顔貌になっていくようで、特にヘビースモーカの人ほど、その傾向が顕著にみられるようです。これを「たばこ顔(スモーカーズ・フェイス)」と言います。たばこは肺がんや心臓病など、様々な病の原因と言われていますが、近年では喫煙による肌への悪影響も医学的に明らかとなり、加齢による老化の原因以外では「紫外線に次いでたばこが肌に害をもたらす」と言われています。
目次
タバコ顔とは
タバコ顔は、米国オハイオ州クリーブランド大学病院と米国ケース・ウェスタン・リザーブ大学のチームが、喫煙歴に5年の差がある双子を比較して、目の下のたるみや口の周りのしわなどが、喫煙により増加し老化が早まった事を確認し、学会誌で発表しました。比較はパーツごとにそれぞれの写真を用いて行われ、喫煙者と非喫煙者では喫煙者の方が老けてみえる確率が57%との結果が出ました。バーマン・ガイアロン医師は「喫煙はコラーゲンの生成を抑制するので、コラーゲンが減少し皮膚の血行が悪くなり、ニコチンは肌の厚みを
減らすので、肌の弾力が衰え、老化が早まる」と語っています。
タバコ顔の特徴
・肌のハリがなく、シミ・くすみが目立つ
・毛穴が開く
・目の下のクマ・たるみ・色素沈着・目尻のシワ
・上まぶたが下がる
・深いほうれい線やゴルゴ線、マリオネットライン
・口元のシワ
・顎のたるみ
・ニキビなどの肌荒れ
・肌の黄ばみ
・歯茎、唇の黒ずみ
・白髪の増加
喫煙するとどうして老け顔になるの?
たばこには4000種類以上の化学物質、200種類ほどの有害物質、60種類ほどの発がん性物質が含まれており、それらが女性ホルモンの働きを妨げる為だと言われています。
特にニコチンは血管を収縮させてしまうので、血流が悪くなり、血圧が上昇し、心臓に大きな負担をかけます。肌への影響としては、血管収縮作用により表皮へ十分な栄養が届けられなくなってしまい肌の新陳代謝が鈍くなります。結果、肌の乾燥やシワ、くすみが進み、更には抜け毛の増加も招きます。
たばことホルモンの関係性
ニコチンはたばこを吸うと肺から数秒で脳に達して、脳内のニコチン受容体に結合してドーパミンを放出しますが、時間と共にニコチンが減少してしまうと、イライラしたり、口寂しくなったりと禁断症状が出始めます。禁断症状自分では自制する事が難しいので、禁煙が難しいと言われているのはこのためです。
またニコチンは女性ホルモンの代謝を阻害して分泌を低下させます。女性ホルモンは血液中を通って、子宮、膣、肌、骨に到達しますが、その途中、肝臓で代謝されて作用が弱っていきます。この代謝をたばこの成分が促進させる事で、女性ホルモンが早く失活してしまい、血液中の濃度は低下します。
女性ホルモンは2種類あり、エストロゲンは美肌ホルモンとも呼ばれており、真皮の線維芽細胞やエラスチン繊維、色素細胞などに作用して重要な役割を果たします。ハリや弾力、バリア機能や潤いの保持に関係してきますので、女性ホルモンは、美肌つくりにとても需要です。
たばこと活性酸素
たばこの煙には、酸化や炎症を引き起こし、活性酸素を生産する物質が含まれているため、たばこを吸う人はもちろん、吸わない人でも副流煙を吸い込む事で活性酸素が体内に多量に発生してしまいます。またニコチンは経皮吸収されるので、ニコチンが体内に入り込み、体内で活性酸素が発生すると繊維は細胞がダメージを受け、肌のハリや弾力の元になるコラーゲンやエラスチン繊維の生産が低下し、皮膚の結合組織の破壊が起こります。さらに、活性酸素はメラニンを増加させてしまうので、結果としてシミやくすみが増加しやすくなります。
この活性酸素から細胞や組織を守る作用があるのがビタミンCです。ビタミンCは高い抗酸化力があり、抗酸化物質は活性酸素の発生や働きを抑制したり、取り除いたりします。
ビタミンC
ビタミンCは風邪をひいた時にも使用される重要なビタミンですが、美肌にも欠かせない成分です。
ビタミンCは肌の弾力を保つコラーゲンの生成に必須の化合物です。不足すると肌のツヤやハリがなくなり、シワも出来やすくなり、シミや色素沈着が起きやすくなります。またビタミンCには抗酸化作用もあるので、不足してしまうと老化が促進されてしまいます。
喫煙者の血中ビタミンCは非喫煙者の半分以下だと言われています。ビタミンC本来は肌のコラーゲン生成に消費するのに使われていますが、その大事なビタミンCをたばこで発生した大量の活性酸素除去に消費しているのです。その為喫煙者は肌の衰えが早く進んでしまいます。
タバコ顔にならないために今出来る事
・ビタミンCをたくさん摂る
・スキンケアにビタミンCの成分が入ったものを取り入れる
・禁煙する
禁煙で改善されるかもしれない症状
・肌質の悪さ
・抜け毛
・便秘・下痢
・息切れ
・イライラしやすい
・ドライアイ
・肩こり
まとめ
喫煙をすることで血中ビタミン濃度が減少し、肌だけでなく身体にも様々な悪影響が出てしまいます。禁煙が一番良い方法ですが、なかなか出来ない方も多いかと思います。高濃度ビタミンC点滴療法などでビタミンCを大量に摂取したり、C-OPERAで高濃度のビタミンC誘導体を導入したり様々な美肌治療で、アンチエイジングに対応する事も出来ますので、タバコ顔かな?とお悩みの方はぜひ一度カウンセリングにおお越しください。