グルタチオンの効果や副作用<医師監修>
- 2022.8.7
目次
グルタチオン
グルタチオンは、「グルタミン酸」、「グリシン」、「システイン」というアミノ酸が3つ連なった化合物ペプチドです。肝臓に多く含まれ解毒機能を高める作用があり、また筋肉や皮膚など広く分布し生体内の酸化や還元反応に重要な役割を果たしています。生命を維持するために必要な成分ですが、20代をピークに年齢とともに減少します。紫外線の影響により減少しやすい特徴もあります。強力な抗酸化作用があり、アンチエイジングや美白、美肌効果があり注目されています。日常生活で蓄積される体内の毒素の排出も促してくれます。海外ではサプリメントして販売されていますが、日本では医薬品扱いのため医師や薬剤師への相談が必要です。
グルタミン酸
うまみ成分として有名でタンパク質を体内で合成することができる非必須アミノ酸の一種です。アンモニアの解毒作用や利尿作用、脳を活性化する効果、脂肪の蓄積を抑える効果、血圧を下げる効果、肌にうるおいを与え柔らかく健やかな状態を保つ美肌効果があります。
グリシン
脊髄や脳幹多く存在し、中枢神経で抑制系の神経伝達物質として機能します。魚介に多く含まれ、美肌にも効果的な成分です。グリシンはコラーゲンの構成に関わるアミノ酸でコラーゲン中の約3分の1を占めています。睡眠に対する効果、抗うつ効果、肌の弾力やハリを保つ美肌効果があり、化粧品や医薬品など幅広く活用されています。
システイン
硫黄原子を含んだアミノ酸で、抗酸化作用や皮膚の紫外線防御作用などが知られています。食品から摂取でき、レバーや魚、鶏卵などに多く含まれています。メラニンをつくる酵素チロシナーゼの働きを抑え、主に肌を整え、皮膚や爪、髪の毛など健やかに保つ働きがあります。
グルタチオンの歴史
グルタチオンは1921年生化学者ホプキンス博士によって再発見され、グルタチオンと名付けられました。日本では1969年に製薬会社によって初めて医薬品の原料として市販されました。グルタチオンは保険薬として妊娠悪阻、晩期妊娠中毒、慢性肝疾患、放射線による白血球減少、宿酔、口腔粘膜の炎症などに使用されています。特に肝機能の改善や、美白・アンチエイジングのための医薬品の原料としての需要が高い成分です。最近の研究では、グルタチオンのパーキンソン病に対する治療効果が注目されています。パーキンソン病は脳幹にある黒質が変性して神経伝達物質の一つであるドーパミンが働かなくなり、手の震えや歩行障害、動作緩慢などの症状が次第に進行する神経が変性する病気です。いろいろな治療薬が開発されてきていますが、未だ難治性の病気です。パーキンソン病など多くの病気に活性酸素が関与していると指摘されています。パーキンソン病の場合、黒質におけるグルタチオン濃度が健常者より著しく低下していることがわかっています。パーキンソン病の原因の一つとして、グルタチオンの減少に伴う活性酸素の増加により、黒質が障害され変性してしまうことと考えられます。高容量グルタチオン点滴が有効である症例が多数あり、応用されています。
グルタチオンの特長
解毒作用と抗酸化作用が特長です。体内に入った毒物や異物は肝臓で解毒されますが、その解毒作用として働くのがグルタチオンです。グルタチオンの抗酸化作用には、ストレスや過度な運動、飲酒、喫煙、紫外線で発生する活性酸素によるダメージから細胞を守る作用があります。また、シミの原因となる過剰なメラニンの生成を抑える働きがあります。シミの原因は、加齢や紫外線の影響によって、過剰にメラニンが生成されることで起こる色素沈着です。そのため、グルタチオンには、シミを予防する効果が期待されています。
グルタチオンの効果
疲労回復
グルタチオンのデトックス作用により、倦怠感や疲労回復の改善に期待できます。朝起きてもすっきりしない疲労感や慢性疲労改善にも期待されています。
免疫力をサポート
グルタチオンが持つ抗酸化作用は、体のサビの原因となる活性酸素を抑え、免疫力をサポートする働きがあります。アレルギー予防にも期待できる成分です。
生活習慣病の予防・改善
過酸化脂質は動脈硬化や高血圧の原因にもなり得るため、グルタチオンが持つ抗酸化作用は、活性酸素の増加を抑えることによって生活習慣病の予防に役立ちます。
肝機能を高める
グルタチオンは、肝臓の解毒には欠かせない成分で肝機能を高める効果があります。肝機能を助けることで老廃物や毒物をスムーズに排出できるため、成人病の予防も期待できます。グルタチオンは、肝機能の代謝をよくします。体内のアルコールを分解し無毒化をサポートするため、二日酔いの予防にもなると言われています。
美白・美肌・老化予防
抗酸化作用を持つグルタチオンは活性酸素を抑え、シミの元となるメラニンを抑制する働きがあります。メラニンの生成を抑制することでシミ予防が可能なため、美白を求める方に人気です。 グルタチオンは、メラニンを黒くしない効果とメラニンを抑制する2つの効果で美白に導きます。肌のターンオーバーが乱れは、シミやシワ、くすみなど多くの肌トラブルの原因です。グルタチオンには肌のターンオーバーをサポートする働きがあり、肌の代謝がスムーズになることで肌荒れやくすみの改善が期待されています。肌が老化する原因の一つは、体内の活性酸素が増えることです。グルタチオンは、肌の活性酸素を抑える抗酸化作用が高いため、老化予防に有効であると考えられます。 活性酸素を抑えることで、シワやたるみだけでなくシミの予防が期待できるでしょう。
こんな方におすすめ
- シミ、そばかす、肌荒れ、くすみ予防
- 慢性的な疲労やストレスがある
- 飲酒、喫煙、睡眠不足、食生活の偏りがある
- 生活習慣病の予防
- 肝臓機能改善
- 目の炎症予防
摂取方法
点滴や注射
効率的に体内にグルタチオンを入れていく方法の一つです。白玉点滴という名前の方がピンとくる方も多いかもしれません。体の疲労回復や美白、美肌が期待できます。
内服薬
医療機関で処方してもらえます。 美容や健康を目的だけではなく、二日酔い対策や疲労対策に服用することも可能です。医師の指示にしたがって必要量を飲みましょう。飲み方は、美白効果、肌荒れ予防には1日2回(朝晩)、1回1錠の内服、二日酔い予防には飲酒30分前に2錠内服し、飲酒後寝る前に1錠内服がおすすめです。疲れが残っている場合は、1日最大3錠まで内服しても大丈夫です。
食事
グルタチオンは普段の食事でも摂取することができます。
副作用
グルタチオンは日本では医薬品として扱われているため、摂取する際は医師や薬剤師への相談が必要です。またグルタチオンはもともと人の体内にある成分なので副作用は少ないですが、まれに点滴や注射によりアナフィラキシー、発疹や食欲不振、嘔吐などがあらわれる場合があります。 グルタチオンを使用する際に、服用している薬がある方や通院中の方は医師に伝えておきましょう。
まとめ
グルタチオンには解毒作用や抗酸化作用、メラニン抑制作用など様々な効果があります。私もグルタチオン点滴を受けていますが、肌の調子もよく美白になったと周りから言われ、自分自身も実感しています。スタッフにも患者様にも大変人気のグルタチオン点滴です。
まゆりなclinic名古屋栄では、点滴や注射、内服薬など各種取り揃えています。カウンセリングは無料で行っていますので、お気軽にご相談ください。