毛嚢炎をつぶしてもよい?<医師監修>
- 2022.7.30
目次
毛嚢炎とは
毛嚢炎は、ムダ毛を処理する時に起こる肌トラブルの1つで、ニキビのようなブツブツが肌に現れます。毛嚢炎の見た目は白ニキビに似ていますが、ニキビのような固い芯はなく、かゆみや痛みもほとんどありません。数日で自然に治りますが、悪化すると赤く膿を持ったできものが複数でき、熱を持ったり赤みや痛みがあったりすることもあります。重症化した場合は切開が必要になる場合もあります。毛嚢炎は、膿で毛穴の中央の皮膚が盛り上がり、周辺にも広がると白~赤く腫れた膿を持った発疹ができます。膿が溜まって皮膚が盛り上がった発疹を膿疱といいます。膿疱が硬いしこりになり、発熱や痛み、赤みが起きます。その状態を「せつ(おでき)」と呼びます。「せつ」が悪化すると、「よう」と呼ばれ、炎症が広がり「せつ」よりも強い痛みや発熱、体調不良などを伴います。表面でカミソリや毛抜きといった自己処理では肌への負担がより大きいため毛嚢炎のリスクが高まります。医療脱毛レーザーや光脱毛も毛嚢炎のリスクがないわけではありません。皮膚の常在菌がバリア機能を果たして肌を守ってくれています。脱毛した肌は一時的にバリア機能が低下し、肌や毛包がダメージを受けます。ダメージを受けた毛包にブドウ球菌などの細菌が侵入し感染すると毛嚢炎が起こります。赤みが出たり、痛みがあったり、腫れたり、患部が化膿したりすることもあります。毛嚢炎を放置すると色素沈着になることもあります。通常は数日で自然に治りますが、治らずひどくなった場合はクリニックに相談し診察を受けましょう。
毛嚢炎とニキビの違い
毛嚢炎とニキビ、とくに白ニキビは見た目が大変似ています。ただ、毛嚢炎はブドウ球菌などの細菌などが原因で起こるのに対し、ニキビは毛穴に皮脂や汚れが詰まって増殖するアクネ菌が原因です。ニキビはできて少し経過すると毛穴の中に固い芯ができることがあります。毛嚢炎の場合は膿が出て時間がたってもニキビのような固い芯はなく、かゆみや痛みもほとんどありません。
毛嚢炎の原因
毛嚢炎の主な原因は、皮膚表面にできた傷口やひっかき傷、カミソリ負けなどで肌のバリア機能が低下し、毛包に細菌である黄色ブドウ球菌・表皮ブドウ球菌などが侵入し感染を起こし、毛包に炎症が起きます。医療脱毛を行うとレーザー照射により肌のバリア機能を低下させます。その際に細菌が侵入すると毛嚢炎を引き起こしやすくなります。また、毛抜きやカミソリなどで自己処理することも毛嚢炎を引き起こす原因となります。ムダ毛処理をする際は、肌への負担が少ない電気シェーバーを使用し、脱毛後は日焼け、保湿対策をしっかり行いましょう。皮膚表面が不潔だったり、皮膚の常在菌が毛包内で増殖したりすると炎症が起きる場合もあります。また、衛生管理の不十分や入浴施設やプールなどで緑膿菌に感染したりすることでも起こります。睡眠不足や食生活など生活習慣の乱れによっても肌のバリア機能が低下するため日頃も生活にも注意が必要です。毛嚢炎は放置せず早めに皮膚科などの医療機関を受診しましょう。
毛嚢炎のできやすい箇所
できやすい箇所は、摩擦によって肌がこすれやすいひじ・ひざ・首の後ろ、外部刺激にさらされやすい顔、蒸れと皮脂や汗の分泌が多いお尻・太もも・デリケートゾーン、胸、背中です。毛嚢炎は毛穴の奥の毛包があるところなら全身どこでもできます。男性の場合、ヒゲを脱毛した箇所に毛嚢炎ができやすいです。男性に多い毛嚢炎は炎症が強いことが多いです。とくに深剃りしてしまうと毛包までダメージを受けてしまいます。その状態で毛包に細菌が侵入して毛嚢炎ができてしまいます。女性の場合、毛嚢炎ができやすい箇所はデリケートゾーンや脇、背中、おでこ、膝、太ももやお尻などです。皮脂が分泌されやすいデリケートゾーンや脇、おでこなどは毛嚢炎ができやすい箇所です。またムダ毛が多い箇所は蒸れて細菌が繁殖しやすいです。毛包に細菌が侵入しても痛みやかゆみなどの炎症がほとんど起こらず、皮膚にプツプツした赤い湿疹のようなものができてしまうこともあります。男女問わず脇やデリケートゾーンなどムダ毛が多い箇所は毛嚢炎ができやすいです。胸毛が多い方は胸にできてしまうこともあります。
毛嚢炎の予防
毛嚢炎の予防で1番有効なのは、日頃から皮膚を清潔に保つことです。汗をかいたら放置せずにシャワーを浴び、シャンプーや石鹸で過度な刺激は肌に負担をかけてしますためゴシゴシ擦らず泡で優しく洗い流しましょう。脱毛でカミソリや毛抜きを使った自己処理を行っていると、皮膚表面が傷ついてバリア機能が低下し、毛穴に細菌が侵入し毛嚢炎を起こす恐れがあります。自己処理を行う前後は肌を清潔にし、乾燥しやすい肌を守るため化粧水や保湿クリームでしっかりと保湿をしましょう。また、睡眠不足や食生活に偏りがあると皮膚のバリア機能を低下させるため、規則正しい生活やバランスのより食事、十分な睡眠など生活習慣の改善も有効です。
治療法
毛嚢炎はニキビに似た見た目をしていますが、できる原因が異なるためニキビ治療薬を使用しても治りません。毛嚢炎は数日~1週間程度で自然に治ると言われています。ただ、広範囲にブツブツが広がって増えてきた場合や、痛みや痒みがひどくなった場合は早めに皮膚科などの医療機関を受診してください。毛嚢炎に有効な薬は、抗真菌薬やステロイドの軟膏、抗生物質の飲み薬などいくつかあり、肌の状態や治療段階に応じて医師が適切に処方してくれます。クリニックで脱毛した場合は、経過を診て必要ならば薬を処方してくれるアフターフォローが受けられるので一度相談しましょう。プツプツを無理に潰すと膿んだり悪化したりすることもあるので、できる限り刺激を与えないようにしましょう。
脱毛でも毛嚢炎ができる?
毛嚢炎ができるのは自己処理による脱毛の場合だけではなく、医療脱毛でもエステ脱毛でも毛嚢炎ができてしまう可能性はあります。もちろん自己処理に比べると毛嚢炎になる可能性は低くなります。レーザー脱毛の場合、毛根に照射する際に肌のバリア機能も破壊してしまうことがあります。バリア機能が低下すると細菌から肌を守ることができなくなり、細菌などが毛穴に侵入し炎症を起こし、毛嚢炎ができてしまいます。また、レーザーを照射すると肌が乾燥するため、毛穴周囲がダメージを受けやすくなることも一因となることもあります。ダメージを受けた毛穴の中に細菌が侵入し、毛嚢炎を引き起こすこともあります。脱毛施術前後はしっかりとケアが必要です。脱毛中に毛嚢炎ができた場合はまず通っているクリニックやサロンに相談しましょう。毛嚢炎が数か所できている程度の軽度の肌荒れであれば脱毛施術を行うことはできますが、炎症がひどいかったり広範囲の場合脱毛ができない場合もあるためです。
まとめ
毛嚢炎はつぶさない!
できた毛嚢炎が気になっても、指でつぶしたり、押して膿をしぼり出したりすると悪化したり二次感染の拡大を招いてしまいます。つぶしても毛包の中には原因となった細菌が残っているため改善しません。跡が残る可能性もあるため絶対つぶさず、できる限り刺激を与えないようにしましょう。
まゆりなclinic名古屋栄では、施術後万が一肌トラブルが起こった場合も迅速に対応し、無料で診察いたします。お気軽にご相談ください。